ならのしかブログ

本とか外国語学習とか。

ファイア・ドーム

ファイア・ドーム
辻村深月
ISBN: 9784093867696(上) / 9784093867702(下)

昨晩から今まで上下巻一気読み。眠たい。

本間先生は主人公の佐村美冬のIF、鏡合わせの様に見えました。2人とも噂に振り回され、それぞれの見方、在り方も大きく変わってしまいました。

噂は軽薄な娯楽だ。一時興じて、あとは忘れる。消費して捨てる。
下巻 P.389

消費して「捨てる」。ただ消費するだけでなく捨てる。噂についての、自分の責任も含めた一切合切を自分の中に残さない。無意識に。捨てる、に表れる乱暴さ、雑さ。それができると思える傲慢さ。
家庭ゴミを捨てるにもルールがあり責任が伴うのに。

佐伯先生と本間先生の心理的な差は紙一重だったのではないかと思います。
本間先生は生徒を見送ったことへの後悔に加えて罪悪感もあったのだと。1人で抱え続けて自分を追い込んでしまった結果、噂を噂ではなく、今風に言うなら「もう一つの事実(alternative facts)」として受け入れてしまったのではないでしょうか。
佐村先生の向こう側に本間先生がいる。

この土日はろくにする事もせず、サボり、ただ読書。かがみの孤城もそんな感じで読んだ気が。しかも夏に。
夏は辻村深月なのか。

英単語暗記③と独検2級 単語暗記

単熟語EX準一級の全単語のAnkifyを完了。
Ankiカード自体の進捗は当初の予定より1か月ほど滞っている。復習カードの歩留まりとアルゴリズムをFSRSに変更したのも関係しているかもしれない。全部やり切れないことがあっても毎日カードはめくる。明日の自分は楽をしたい。

準1級Ankify後はそのまま英検1級にステップする予定でいたが独検2級の単語に切り替える。両言語の暗記がかなり負担だったのでドイツ語は2月末からお休みしてた(個人的に楽な英語に流れたとも言う)。できれば年内に2級のAnkifyを終わらせ半年以内に最後まで暗記カードも回したい。
それまでは旺文社の文単(英検 文で覚える単熟語)の準一級があるのでAnkiをしつつ単語の定着を深める方針。余裕があれば1級もデッキを作成して取り組みたい......がどれだけの負荷になるかわからないので今は保留。

あれもこれもできない要領のなさが悲しい。本もろくに読めてない。
多言語学習をしている方々はどうやっているんだろう。

独検4級・3級合格

ドイツ語検定の4級・3級に合格しました。

コロナウイルスで働き方がガラッと変わり継続して勉強ができる環境になったのをきっかけにドイツ語学習を始めて6年。最初は読める本を増やすために始めたはず、本だけ読めればよかったはずが独検に挑戦してました。

試験の翌日に自己採点で3級の合格ライン以下だった時は、こんだけ長いことドイツ語をやってて初級レベルも習得できてないのかとひどく落ち込みました。
なので両級の合格は予想外で、思わず声が出ました。本当に嬉しかったです。

とは言え3級の試験で自分の弱点が嫌程わかったので取り組んでます。その傍ら元々の目的であるリーディングも合間合間にやりたいです。

本当に、最初は辞書引っ張りながらでもいいから本が読めればそれでよかったんですが……
気づけばそこから遠くに来てしまった感じです。

それもこれも自分以外にドイツ語に取り組んでいる人々(社会人)に出会えたおかげです。その方々に触発されて悔しい気持ちも持てたし、文法以外もちゃんとやろうと思えました。勉強に欲が出たとも言う。
出会った方々には感謝しかないです。

背表紙の学校

背表紙の学校
奈倉有里
ISBN: 9784065428023

想像力豊かな女の子と思慮深い女性。ふわふわしたある日の憧憬とそれを曇らせる今も広がる戦禍。陰鬱な状況下にいる現代の私達とロシア帝政やソ連下の暗い時代に生きた詩人達。それぞれが平行、交差、オーバーラップしたり。クロワッサンの生地みたいに積み重なったり、マーブルパンのように混ざったり。

「きのこと詩を狩る」より、
きのこがたとえ食材であってもキラキラ輝いて見えるのは食いしん坊なのでわかる。素晴らしい食材の先に、湯気がたち、いい香りがただよう一品がみえるのです。ふんふん鼻歌を口ずさみながら詩作したのだろうか。
簡単なきのこレシピもあったので作ってみたい。しいたけ、まいたけ、平茸、なめこ、しめじ、エリンギで、鶏肉の代わりにベーコンでもいけると思う(鶏肉は無くても良いのだから)。

詩は「落葉注意!」の章から一部抜粋:
P.82
  無関心という 復讐はするな
  憎しみは 僕らを破壊する
  けれども まだ救える
  僕らがどちらも 生きてさえいれば

僕ら、は同じ信条ではないかもしれない。それでも「僕らがどちらも」に、相手をなき者に(実質的な殺すkill、相手の言葉や考えを無視するようなignore)しては救えないとのメッセージが込められているように思う。救うというか止めるのか。
それでも最後の一文に「そうであっても、破壊が、戦争が始まってしまったら、どうしようもないよ」と言われてるようで苦い。

英単語暗記②とalpha

単熟語EX 準一級 Unit1までAnkify終了。夏ごろに全てのAnkifyが終わる見通し。そこからさらに日々のノルマカード数が減っていくのに半年ほどかかると思われる。一冊やり切るのに時間はかかるしノルマもきつい。でも洋書や新聞で覚えた単語のおかげで文がわかるとちょっとうれしい。単語の意味を思い出せない時は思いのほか落ち込む。

英字新聞は2月からジャパンタイムズのalphaを購読。続けられる自信がないので3か月契約にて。初めの2か月は1日の細切れの時間で通読しようと力みすぎて挫折しかけた。残り一か月は「母語の新聞も興味ある記事だけ読んで全部読んでないしな!」の割り切りと、土曜モーニングのルーティーンに英字新聞を組み入れたところうまく続けられた。あともう少し頑張れる。
alphaは海外事情で初耳のニュースが載っていたりしておもしろい。映画のページは必ず読む。書評もあっていいのに。

ドイツ語は単語がなかなか先に進められない。自分の単語学習のリソースが英語に行ってしまっている。そもそも単語だけでなく全体的に同じ場所で足踏み状態な気がする。どうにかしたい。

ばけばけ

カメラワークとオープニングが大好きでした。あとセットがとても凝っていた。ディテールもセットの数(種類)もこだわってたと思う。

最終週はテーマの「ばけばけ」「ウラメシ、ケド、スバラシ」「たわいもない日常の愛おしさ、素晴らさ」が凝縮されていた。甲子園のせいでリアルタイムで朝ドラを(昼に観るが)観られず忌々しかったが週末に一気見してかえって良かった。

おトキちゃんの鏡合わせは、おサワさん、おなみさん、イライザさん、ランさんになるのだろうか。

おサワさんは夫に経済的に依存せざるを得なかったおトキちゃんとは逆に(と言うかそれを選ばずに)自分の力で道を切り開いて向こう側へ渡った自立した女性。

おなみさんは家族の為に遊女になり、身請けされて向こう側へ。おトキちゃんもヘブンさんと一緒になり長屋を出るもラシャメン騒動で苦しむ。向こうへの渡り方は同じはずなのに遊女/ラシャメンで風当たりの強さが違う。それとも世間の認識はパトロンと一緒になって遊女を辞めた、ラシャメン(遊女)になった、になるのか。

イライザさんは作家としてのレフカダ・ヘブンを見てきて、錦織さんと同じ文学的同志だった。
最初Kwaidanを受け入れられなかったのも高尚な物(小説でいうなら大衆小説ではなく文芸)を書く人としての「レフカダ」を愛してたがゆえ。おトキに怒りをぶつけたというよりも内に渦巻いていた憤りや悔しさ、ウラメシさを吐き出さずにはいられない、こぼれてしまった瞬間のように感じた。
(ばけばけに小泉八雲の逸話や「怪談」ネタを期待しすぎてガッカリしている人もこんな感じなのだろうか。)
トキへの回顧録のリクエストも何者でもないただの日本人で家庭人の「ヘブンさん」や「雨清水八雲」を理解しようとする彼女の気持ちの変化。

イライザさんにとっては前半の「日本滞在記」までがスバラシで後半の「Kwaidan」はウラメシ。おトキちゃんにとっては前半(Kwaidanまで?)がウラメシで最後にそれらがかけがえのないものと気づきスバラシに化ける。
「思ひ出の記」が白地に金字の綺麗な装丁だったので最後はイライザさんにもそのスバラシを共有できたんじゃないかな。

虎に翼に続いて最後まで観た朝ドラでした。虎に翼が外(社会)に向いたページターナー的なおもしろさなら、ばけばけは内向的でしっとりした趣きのある随筆を読んでいるようでした。

2026年目標

2026年はもう少しブログの投稿を増やしていこうと思います。
自分ひとり壁にしゃべりかけているようなブログだと思うのでもっと気楽にやっていければ。

2026年は2025年に始めた単語(英検準1級、独検2級)のクローズ(主にAnkiへの打ち込み)のやりきりと、それ以外の読む・聞く・話すのスキルの底上げの取り組み。

読書は蓄えた積読本を読み進めたい(が、欲しい本がにょきにょき出てくる、どうしよう)。
2025年年末から2026年年始にかけての年越し本は2冊:
(1) 「人間の彼方」 ユーリ・ツェー(Juli Zeh), 酒寄進一 訳
(2) 「Wellness」Nathan Hill
2冊とも人間関係の相いれなさ、不確かさに揺れる登場人物達のどうしようもない一面や駄目なところがわんさか出てくる。けれども作者はそれらを切り捨てたり否定したりせずに、物語の最後をぽやっと明るさでとじる。